上棟式の略式
略式的な上棟式
最近の家づくりでは、上棟式を行わない方が多くなってきています。特にハウスメーカーでは20棟のうち1棟程度しか上棟式は行われていないそうです。
さらには、上棟式さえも昔のように神主を招き、屋根の上で神事を行い、その後は親戚・ご近所一同を集めての餅撒きやら直会(なおらい=宴会)となる本上棟まで行う方は、ほぼ皆無となっています。
つまり、現在の上棟式は略式で行うことがほとんどで神主さんに来て頂くことは少なく、棟梁や現場監督が司会をして式を進めることがほとんどです。
私が子供の頃はよく上棟式の餅やお菓子、五円玉をひろって喜んでいましたが、最近ではそういった風景を見ることがありません。これも時代の流れなのでしょうが少し寂しいですね。
本儀上棟式は下記のように行われます。(地域により内容は異なります。)
1:着座(ちゃくざ)
2:修祓(しゅうばつ)
3:降神(こうしん)
4:献饌(けんせん)
5:大祓詩奉唱(おおはらいしほうしょう)
6:祝詞奉唱(のりとそうじょう)
7:清祓い(きよはらい)
8:槌打の儀(つちうちのぎ)
9:玉串奉典(たまぐしほうてん)
10:撤饌(てっせん)
11:昇神(しょうしん)
12:退下(たいげ)
このように本儀の上棟式は大変そうですし、費用も100万円を超えることもあるようです。
確かにこれでは一般住宅の上棟式では行われないのも納得できますね。
簡略的な上棟式
神職にはお願いせず、棟木があがったあと、棟札をあげ祭壇を設け、棟梁が祝詞を奏上し拝礼する、それに続いて施主及び参列者が拝礼します。神饌物(お供え物)は簡単な物を準備する。また、簡単に上棟式を行うために上棟セットを準備する方も多いようです。
たとえば下記のように省略した上棟式を行います。
1:棟梁の手で棟木のテッペンに吹流し等の飾り物を上げます。
2:祭壇に御幣・枡を飾り、神饌物を飾ります。
3:棟梁が建物の四隅の柱に水・塩・米・酒をまいて建物を清めます。(四隅に餅を撒く場合もあります。)
4:棟梁の祈願の後、続いて建主さんや関係者が祭壇前で二礼二拍一礼で祈願します。
5:撒餅、撒銭等が用意してある場合は、集まった人たちに撒きます。
このように簡単な上棟式を行います。これであれば上棟式費用は20万円ほど、上棟式にかかる時間は20分程度です。(直会は除く)
結局、現在の上棟式は昔のように完成までに災いが起きないように願いをこめて行なうものではなく、工事関係者に気持ちよく仕事を進めてもらうためのもてなしの意味がとても強くなっているという事になります。