上棟式の祝儀袋
上棟式の祝儀袋と祝儀袋のマナー
上棟式を執り行い関係者にご祝儀を渡す方も多いと思いますが、こういったお祝い事に金品を贈るときにむき出しのままでは相手側に対して失礼になります。
相応のご祝儀袋を利用し、失礼のないようにしたいですよね。
現在ではいろんなタイプの祝儀袋が販売されていますので、市販の祝儀袋を使う事がほとんどではないでしょうか。
ここで、気をつけたい事は、贈る目的に応じた体裁のものを使用します。また、入れる金額が少ない場合は、水引とのしが印刷されているものでも大丈夫ですが、高額になるにしたがい祝儀袋は豪華なものにするのが一般的です。
ここでは、こういった一般的な祝儀袋について紹介します。
包む金額によって変わってくる祝儀袋
祝儀袋といっても、水引・柄・デザインが豊富にあり、数ある祝儀袋の中から適切なモノを選ぶのは意外と難しいですよね。
そこで、まず目安になってくるのが「包む金額によって祝儀袋を決めることができる」ということ。
常識の範囲内であれば、あまり深く考える必要はありませが、注意しておきたい事もあります。それは、包む金額に対して一般的にその金額の約1/100の値 段の祝儀袋が目安となってくると言うことです。あくまでもこの値段は目安であり、地方の慣習やお祝い事によっても変わってきます。
次に注意したいのが祝儀袋を結ぶ水引。
この水引にもいろいろな形があり、慶事の種類によって使われ方が変わってきます。また使用する目的によっては相応しくない物もありますので注意が必要です。
最近では祝儀袋も水引や熨斗(のし)が印刷されている略式タイプがあります。
祝儀袋に包む金額とのバランスにもよりますが、結婚式などの様に華やかで儀式・格式を含む慶事には、やはり避けた方が無難だと思います。
祝儀袋の名称と意味
◆のし
祝儀袋の右上に、ひし形状の折り紙が貼られているのをよく見かけると思いますが、それが「のし(熨斗)あわび」と呼ばれるものです。
昔は祝い事には海産物が添えられており、特にあわびは貴重品として重宝されていました。
それが次第にあわびを薄く切って伸ばしたものを使うようになり、今では紙で代用されています。「肴もそえてお贈りします」というを気持ちを表したとされています。
のしは「伸ばす」という意味から「縁を伸ばす」とされ慶事では使いますが、 弔事では使いません。
◆水引・結び
水引とは、丁重な贈り物やお供え物をする際、包み紙を結ぶ時に使われる紙紐のことですが、本来神様にお供え物をする際の「しめ縄」が変化し、今のような形になったようです。
水引の結び方・色・本数の使い分けには、それぞれの意味合いによって使い分けられていますので、誤った用い方をすると先方に大変失礼となりますので注意が必要です。
◆蝶結び
引っ張るとほどけて何回も結び直せることから「何度繰り返してもよい」という意味で一般の婚礼以外の慶事に使います。
何度あってもよいお祝いごとには「蝶結び」を使います。引っ張るとすぐにほどけて、何回も結び直せて「何度あってもよい」という意味から一般の慶事に使います。
◆あわび結び/あわじ結び
祝儀袋で良く使われる「あわび結び」。この水引が考えられたのは明治時代と比較的新しく、最近ではほとんどがこの形で用いられています。
この水引の意味は、「両輪を互いに引っ張る事により更に固く結び合う」と言うことから、結婚式の祝儀袋として使われるようになりました。また左右の輪が鳴門の渦潮のように見える事から別名「あわじ結び」とも呼ばれいます。
結婚式や快気祝いなど、一度でもう良いと言う意味合いの祝い事には「結び切り(結び目がほどけない)」が用いられます。また、弔事においても二度とあってはならないと言う事でこの形が用いられています。
そして出産祝いなど何度あっても喜ばしい事には「両輪結び」や「蝶結び(結びなおす事が出来る)」が使われます。
また一般的に用いられている「あわび結び/あわじ結び」に関しては、どちらでも可能です。
意外と忘れてしまいがちですが、慶事のときの上包みは、下側を上側にかぶせます。
表書きの注意点
祝儀袋に表書きを書く際に、注意しておきたいのは使用する筆に関してです。慶事の場合、濃い墨で太く書く事により「幸せが太く長く」と言う意味合いがあります。
その逆に、弔事では「涙で薄れる」と言う意味から細く薄い墨を用います。
用いる筆は、毛筆・筆ペン・サインペンを使用し、万年筆やボールペンなどは避けます。
正式には、奉書紙で包み、水引をかけ、のしを付けて贈ります。
神官、棟梁、とび職に謝礼を渡す時には、のし袋に紅白蝶結びの水引をかけ、神官には、「神饌料」、設計者、棟梁、とび職には「御祝儀」と表書きをします。
まとめ
こうやってみると、祝儀袋ひとつでっみてもマナーや常識的なことが多々ありますね。
今回のご祝儀のマナーは覚えておくと上棟式に限らず、いろんな場面でも役立ちそうです。ですが今は上棟式のご祝儀袋についてなのでポイントを簡単にまとめると...
①.祝儀袋は、贈る目的に応じた相応しい祝儀袋を使用する。
②.水引は、「蝶結び」もしくは「あわび結び」を使用する。
③.表書きは、神官には、「神饌料」、設計者、棟梁、とび職には「御祝儀」とする。
細かいところではこの3つ以外にもありますが、上記3項目に注意し、失礼のないようにしたいですね。